気功療法・症例:高次脳機能障害
■ 症例1:40代前半(女性)
・症状
昨年末に脳梗塞を発症し、後遺症が残る。
呂律がまわらない。
右側のマヒ、歩行はできるが、字を書く時に時間がかかる。
日常生活(家事)は何とかできているが、物忘れ、集中力も改善させたい。
3/25 頭部 計30分
6月中旬まで週1回ペース。
3回目で呂律の改善がはっきりする。
5月、月1回会う友人に喋り方が会う度に良くなると言われる。
6月下旬から隔週にしたい、との事。
7月、子供が夏休みになるので、施術に行けない。
補足
呂律、集中力、物忘れ、字を書く(右半身のマヒ)において、1カ月前より状態が良い、と確認できるペースでの改善がありました。家事も初回時よりスムーズにできるようになり、込み入った会話でなければ、後遺症に気づかない状態まで改善しました。
この患者様は、数年前に神経痛で来院しており、しっかりしている方という印象がありました。施術者としては、まだまだ改善すると考えており、お若いので、治るところはしっかり治したほうが良い、と申し上げましたが、長期的な事を考えるという事が難しいという症状もあったため、ある程度の喋れるようになった段階で中断になってしまいました。
患者様ご本人が、ご自身の状態を正確に把握することが難しい場合が多いため、可能な場合は、身内の方との見解や方針を共有する事も重要だと考えています。
■ 症例2:70歳(女性)
・症状
年末に髄膜種の手術をし、その後、高次脳機能障害。
会話が成り立たない。
物忘れ。
注意力不足。
薬の飲み間違い。
トイレとお風呂は入れるが、火や包丁を使う料理は、危険なのでやらせていない。
補足
初回時には、日常生活に支障をきたしている事を認識できていないように見受けられました。(例えば、できる状態ではないのに“車の運転をして良いか?”を何度も聞く、など)
2020年12月 初回
3カ月間、週1回ペース。
1/16(4回目)
家族とのズレを認識し始める。
全体的に身体が楽になった。特に左側。
2/6<5回目)
病院でMRI検査。脳の状態はきれいと言われた。
前より活発になった分、思った事をすぐに口に出してしまい、家族への当たりが強くなっている。(本来、愚痴、悪口などは言わない。そういう性格ではない。)
2/13(6回目)
感情的には穏やかになった。
短期記憶が、まだ定かではないが、その場その場の会話は成り立つようになってきた。
3月(計4回)
洗濯、散歩ができるようになる。
カレンダーも見れるようになってきた。
1月末から認知症のデイサービスに行っているが、(良い意味で)場違いと感じるようになってきた。
4月以降 隔週
デイサービスからフィットネスに変更。
補足
この患者様は、初回時にはご自身の状態を認識できない症状が出ていたので、明るかったのですが、改善に伴い、(ご自身の状態を認識し始めたため)気持ち的に沈んでしまったり、感情の起伏が激しくなる事がありました。精神的に前向きになれる時と、落ち込んでしまう時があるので、脳の循環の状態を維持しながら、精神面のサポートも必要になります。
脳の状態に関しては、手術した病院では、「脳が委縮する」、「ある程度、頭蓋骨がいびつになる」と言われたようですが、別の病院で検査したところ、「非常に綺麗な状態で、委縮も見られない」と言われたとのことで、施術によりと改善していると考えています。