気と量子力学 1

■ 気と量子力学

=現在の物理の理論=

“力”には

・重力
・電磁気力
・強い力(原子核内で陽子や中性子を固く結びつける力)
・弱い力(ベータ崩壊時に働く、素粒子を壊して他の素粒子に変える力)

の4種類があり、自然現象はこの4種類の力の変化で説明できる。また、物質とエネルギーは状態の違いである。

20世紀初頭,物理学の世界に二つの大きな革命が起こりました。一つは有名なアインシュタインの相対性理論、もう一つは、ボーア、ハイゼンベルク、シュレディンガー、パウリなどの有名な研究者を輩出した量子力学の分野です。

ごく簡単な説明をすると、アインシュタインの理論は重力や、光の速度、などを説明した理論で、実用的にはカーナビなどに使われています。

最も画期的だったのは、“時間の長さは変化する”という理論です。立ち止まっている人から見ても、秒速10万キロで光を追いかけている人から見ても、光は秒速30万キロ。

秒速10万キロで追いかけたら、その人から光は秒速20万キロで離れていかなければいけないのに、距離=速さ×時間 の物理の法則に合いません。ここで1秒の長さが変化しているのではないか?と考えたのが、アインシュタインの特殊相対性理論で、詳細は省きますが、宇宙の衛星に光を飛ばした時に生じる誤差から、距離を計算するのがカーナビです。

重力とはこういうもの、光とはこういうもの、時間とはこういうもの、など、宇宙のキャンパスを説明し、大きなものを説明するのが特殊相対性理論を改良した一般相対性理論です。

一方、量子力学というのは、原子より小さなミクロの世界を扱った分野です。ここでは、摩訶不思議な事が起こります。実験者の意識によって、実験結果が動いてしまったり、ゆらぎの間隔によって、ものとエネルギーの間を行ったりきたりするので、“気”を未だに解明されていない小さな物質、エネルギーと解釈するとなんとなく似ているものがあります。

量子力学は、携帯電話、電子レンジ、原子力などに使われていますが、手をかざした所が温かくなったり、ピリピリ痺れたりする気功療法の説明に、中に入れれば、何も触れずに冷凍食品が温かくなる電子レンジの説明を使いたくなる気持ちもわからないでもありません。

また、遠隔気功などは、携帯電話の理論を使いたくなる気持ちもわからないでもありません。これは、東洋医学や気功研究家が一方的に量子力学で説明しようとしているだけではなく、実際にノーベル物理学賞を受賞したボーア、シュレディンガー、ハイゼンベルクなども東洋哲学に傾倒して共通点を見出そうとしています。

このアインシュタインの相対性理論と、ボーアなどに量子力学が約100年前にに登場し、その後、物理の世界では大きな進展は見られていません。そして、困った事に大きな事を扱う相対性理論
と、小さな世界を扱う量子力学が矛盾してしまうのです。

矛盾してしまうために、気功の現象とはあまり関係ない、相対性理論は引用されず、比較的近い量子力学が説明によく使われるという現象が起こっています。

”宇宙に二つの理論があるのはおかしい”という事で統一理論の出現が待たれてから膨大な時間が流れていますが、現在もっとも新しいのは、超ひも理論、M理論といった類の理論です。

これらの理論では、宇宙のエネルギーはひものようなものであり、それが形態を変えることにより、各種エネルギー、物質に変化するというものです。この超ひも理論は、ひもが実在しても観測不可能なほど小さいという理論なので、証明不可能ですが、“気は宇宙エネルギー”という、気功の世界を説明できるかもしれない、と期待をしました。

ところが、中身を見てみると気功の世界とはまるで違うのです。結論から言うと、恐らく量子力学や超ひも理論では、気功療法の本質は説明でいないでしょう。なぜなら、恐らく、気功療法は、まだ発見されていない小さい物質やエネルギーではなく物質でもエネルギーでもない、と考えられるからです。