病院と代替医療のどちらを選べばよいか?
- 作成者: shunsuke watanabe
- カテゴリー: 研究ー病院と代替医療
代替医療とは、鍼、漢方、気功、整体、心理療法、食事療法、その他民間療法など西洋医学以外の療法の総称です。
患者さんにとって、病院での治療と代替医療のどちらを選べばよいか、判断しづらい事があると思います。現実的には、ほとんどが併用する形になりますが、このような場合は代替医療よりも病院に行ったほうがいい、という例がいくつかあるので参考にしていただければと思います。
・胃潰瘍
以前はストレスが原因だと考えられていましたが、今ではヘリコバクター・ピロリ菌が原因という事がわかっています。失敗もあるようですが、抗生物質で完治する事があり、代替医療で完治させるのは難しいようです。
・C型肝炎
私が施術をはじめた2000年頃は病院でのインターフェロンの治療の成功率が2割程と聞いていました。何度かインターフェロンの治療に失敗した方や、ご高齢の方が気功療法を受けに来院なさっていましたが、その後、インターフェロンの成功率が上がり、最近では薬も進歩しているようです。代替医療よりも病院での治療を優先的に考えても良い例だと思われます。
・妊娠、妊婦の症状
切迫早産
不妊症や逆子については、病院でも東洋医学を取り入れているところも多いようなので、代替医療の得意分野と言えると思います。
切迫早産に関しては、安静とお腹の張りのコントロールが必要になり、自然治癒力の問題ではないので、病院での管理が必要になると考えています。
・がん
「抗がん剤」とは「この抗がん剤はよく効く」と書いてあれば、おそらく「これでがんが治る」と考えられるかもしれません。しかし多くの場合、そういうことはありません。抗がん剤で治療して、画像診断ではがんが非常に小さくなり、よく効いたように感じたとしても、残念ながらまた大きくなってくることがあります。それでも見た目には著明に効いたようにみえますので、「効いた」といわれるわけです。
例えば肺がんの効果判定では、CTなどによる画像上で、50%以上の縮小を「効いた」と判断します。もちろん、抗がん剤でがんが完全に治るということもありますが、通常「抗がん剤が効く」という場合、「がんは治らないが寿命が延びる」、あるいは「寿命は延びないけれども、がんが小さくなって苦痛が軽減される」といった効果を表現しているのが現状です。もちろんそれで満足しているわけではなく、がんが完全に治ることを
目指しています。化学療法で治癒可能ながん抗がん剤で完治する可能性のある疾患は、急性白血病、悪性リンパ腫、精巣(睾丸)腫瘍、絨毛(じゅうもう)がん等です。わが国におけるこれらのがんによる死亡者数は、1年間に15,000~16,000人です。胃がんや肺がんの年間死亡者数は、それぞれ70,000人と50,000人ですから、それらに比べると比較的まれな疾患ということができます。また、病気の進行を遅らせることができるがんとしては、乳がん、卵巣がん、骨髄腫(こつずいしゅ)、小細胞肺がん、慢性骨髄性白血病、低悪性度リンパ腫等があります。投与したうちの何%かで効果があり症状が和らぐというのが、前立腺がん、甲状腺がん、骨肉腫、頭頸部がん、子宮がん、肺がん、大腸がん、胃がん、胆道がん等です。効果がほとんど期待できず、がんが小さくなりもしないというがんに、脳腫瘍、黒色腫、腎がん、膵がん、肝がん等があります。
上記の国立がんセンターのサイトが参考になると思います。当院に来院する多くのがん患者さんが、抗がん剤で、がんが治らなかったと仰っていますが、いくつかのがんにおいては、治すという前提がないようです。そのことを患者さんが知らずに、病院での抗がん剤治療を受けている事は大きな問題だと思います。
もちろん、抗がん剤で治るがんもあるので、抗がん剤治療を否定するつもりはないのですが、正確な情報に基づいて判断していただければと思います。