内気功の副作用(気功偏差)について~③身体的な故障と正しい調整の方法

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■ 身体的な故障と、正しい調整の方法

身体的な故障についてですが、

・ヨガによる腰の故障(アクロバティックなポーズのやり過ぎ)

・気功による膝の故障(片足で深く屈伸したりする動作のやり過ぎ)

などがあります。

特にヨガの場合は、本来は刺激を与えるために様々なポーズがありますが、集団で行うヨガ教室だと、外から見てわかりやすい、身体の柔らかさの競争になってしまい、生徒さんが頑張り過ぎてしまう傾向があります。

特に開脚などで無理をしすぎると、骨盤が緩くなり、不安定になってしまうので腰痛の原因になります。関節には可動域があり、それを無理に広げると、一見、身体が柔らかそうに見えますが、様々な故障の原因になります。

硬くなった骨盤を正常に戻すのは比較的やりやすいですが、緩んでしまった関節を元に戻すのには、時間がかかるので注意が必要です。

また、太極拳の映像などを見たことがある方はわかると思いますが、気功では、片足で深く沈む動きなどが多くあります。これも、やり過ぎると膝の故障に繋がります。
これらの故障は、一日に何時間も指導を行う指導者にもよく見られます。ヨガ教室、気功教室の指導者が、内部感覚などを伝えるのが難しいため、わかりやすい柔軟性や筋力を見せる必要性が出てくるのは理解できますが、長年続けていると職業病の腰痛や膝痛を発症してしまいます。

また、プロの治療家は、日常の運動はラジオ体操で十分という事がわかっているので、理解が深い先生ほど、ヨガや身体を動かす気功は行いません。ラジオ体操には下腹部の腹筋を鍛える運動がないので、「体幹トレーニング」の本などを参考にして、下腹部の腹筋の
運動を加えます。

更に、足の裏の着き方も重要になります。女性の外反母趾の予防にもなりますが、簡単なつま先立ちのトレーニングが全身のバランスを整える上で有効になります。

また、全身の代謝をあげるには、下腹部の腹筋と、第二の心臓と言われる、ふくらはぎの筋力が重要になるので、やはり“歩く事”が一番の健康法になります。

以下、比較的安全な全身の調整方法のまとめです。

・全身の関節を可動域の範囲内で動かす運動

 ラジオ体操

・下腹部を鍛える

 「体幹トレーニング」の本などを参考に、年齢、体力に合ったトレーニングを行う。

・足の裏のバランストレーニング

 ①5秒かけて踵(かかと)をあげる
 ②5秒止める
 ③5秒かけて踵をおろす

 を一日10回程度やるだけで、数週間で姿勢にも変化が現れます。

注:外反母趾、O脚、X脚の方は足の裏や膝に痛みが出てくる事があるので、注意して行って下さい。

ヨガ教室、気功教室の最大のメリットは、一人では続かない運動でも、大勢で定期的に行う事によって、続けれる事ができるという点です。また、外に出て人と会うというのも、健康にとっては重要な要素となります。気を付けなければいけない点もありますが、基本的には心身の健康に役に立つものなので、無理せず、楽しくを心掛けて続けて頂ければと思います。