症例 自閉症スペクトラム

■ 症例1 自閉症スぺクトラム(診断当時、アスペルガー症候群)
H16年
アスペルガー(がもっとも近い)という診断。時計や、メーターなどに執着する。落ち着きがない。思い通りにならないと、パニックを起こす。なんとか普通の小学校に入学させたい。
H16年
9/ 7 矯正、気功 計30分
9/ 9 矯正、気功 計20分
9/17 矯正、気功 計20分
9/21 矯正、気功 計20分
9/27 矯正、気功 計20分
10/1 矯正、気功 計20分
10/14 矯正、気功 計20分
以前は目が合わなかったが、視点が定まり目が合うようになってきた。
10/27 矯正、気功 計20分
11/10 矯正、気功 計20分
11/24 矯正、気功 計20分
少し落ち着きが出てきたような気がする。
12/ 8 矯正 計20分
落ち着きが出てきた。
12/24 矯正 計20分
H17年 2週間に1回ペース 計24回
普通小学校に入学。慣れないうちは、かんしゃくやパニックを起こしていた。(先生の首を絞める、物を投げるなど)。そのような行動は少しずつ減ってくる。
H18年  約2週間に1回ペース 計22回
運動が苦手、手先が不器用という事で、体育や国語が苦手だがその他は概ね勉強にもついていっている。2月に大きなパニックがあったが、その他は特に大きなトラブルはなし。刃物に興味をしめすような事があったが、徐々に減ってくる。
H19年 約2週間に1回ペース 計21回
以前に比べ、時計や回るものを凝視する事が減っている。まだ固執する癖はあるが(ゲームソフトもいくつか持っているが、同じものをやり続ける、など)、雰囲気が読めないなどの特徴も緩和されてきており、友達を家に連れてくる事もある。かんしゃくを起こすことも減った。
補足説明
文章だけですと、変化が伝わりにくいですが、最初は施術するにも、ベッドの上で静かに寝ている事ができず大変でした。少しずつ落ち着きが出てきており、苦手な分野はあるものの小学校3年生を終えるまで、普通に学校生活を送れているようです。まだ周囲の友達も細かい違いには気がつかない年齢ですが、高学年になるにつれて、疾患があるという事を、自分自身や、友達も気がつきはじめるので、周囲の理解という事も含めてうまく個性を生かす方向に持っていきたいと願っています。
追加補足
H28年現在も、月2回のペースで通っています。(症状を改善するというよりは、能力開発の目的でいらっしゃっています。)中学、高校時代と何の問題もなく、周囲も正常扱いで登校しています。大学にも無事合格し、来年度から進学する予定です。

■ 症例2 自閉症疑い、場面緘黙症
H22年、4歳
言葉の発音が悪い、特に濁音。
7/4 計20分
7/11、18、25
8/1 計20分
よく喋る。発音も良くなってきた。
その後、2週に1回 20分の施術。
H23年
10月下旬まで2週に1回
8/14
保育園で養護学級を勧められた。園でしゃべらない。家庭ではしゃべる。(場面緘黙症)能力がないわけではないので、普通学級に入れたい。
10/15
少しずつ学校でもしゃべるようになっている。
10/23

先生が嫌いだから、喋りたくないと言い出す。随分良くなってきたのと、先生との問題が浮上してきたので施術のほうは休憩を入れたい。
H25年
11/3
支援学級を勧められる。計算ができない。黒板をうつさない。(キョロキョロしている)目が合わない。
11/17、11/30、計20分
12/22 九九ができるようになった。返事もするようになっている。
H26年、H27年 2週に1回、施術20分
H27年末 母親のコメント。
成績は良くないが、普通学級で正常に生活できている。友達もできはじめている。勉強は能力というより、やる気の問題がある。

補足・・・R3年、別件で来院のお母さまから、“バスケットボールを部活を一生懸命やっていて、人間関係は問題ない。勉強は得意ではないが、やる気の問題だと思う。家の中の事も良くやってくれる。”とのご報告がありました。

■ 症例3 自閉症スぺクトラム 4才~小学校4年生まで
*症状
3歳時、園より全体指示が通らない、友人に関心がない、自分の気持ちを伝える言葉がない、などの指摘を受ける。

ボーっとしている事が多い。

食事の時、目の前にご飯があっても、ボーっとしていて食べない。
寒い日に、着替える時も、ボーっとしたまま促さないと服を着ようとしない。
周囲に関心がない。

言葉が遅れている。
但し、同じことを何度も聞いたり、失礼な事を繰り返し聞く事が多い。

知能検査は91。(平均100)

H27年1月17日 初回 気功 30分
1月~2月3回ずつ、それ以降は隔週で気功20分

2/14 気功20分
表情が改善し、目線が合うようになってきた。

4/8 気功20分
食事や服の着替えも、以前のように全くしない感じではない。
ボーっとしているが、ある程度すると食べる、着ようとする。

6/6 気功 計20分
言葉をかなり理解するようになった。癇癪を起こすようになる。

12/4 気功 計20分
食事や着替えは少しずつ改善している。周囲への関心は出てきているが、触ってはいけない所をわざと触ろうとするので、困っている。まだ小さいので大人は許してくれるが、早く治したい。

H28年 隔週 気功20分
情緒はかなり落ち着いて癇癪は減った。簡単な計算はできる。来年からの小学校は普通級で様子を見る事になる。

補足説明
普通級が決まってから、ペースを減らしたいとの要望がありました。当院では、”順調に改善しているが、まだ症状が残っているので、そのままのペースでなるべく早く治したほうが良い”と提案しましたが、ご両親の希望で月1回に減らす事になりました。




R1年 10月
学校より、来年は支援級も選択肢に入れて考えたいとの提案があったため、もう一度施術を受けたい。勉強面の遅れと、友人関係(何度も同じ事を聞くため、友人から暴言を吐かれる、学校に行きたくないなど)に支障が出てきた。

R2年の後半にかけて、しつこく同じ事を聞く傾向が改善。友人も数人でき、成績も向上する。R3年 3月まで隔週。ご両親から、来年から普通級に戻るので、しばらく施術は休みたいとの要望で中断。

補足説明
この患者さんは、隔週で施術を続けていた期間は確実に改善していました。(中断期間があったため、施術の結果はよりわかりやすくなりました。)
ご両親が、“自閉症が改善しているか”ではなく、“普通級に入っているかいないか”という点を重視して施術を行っていたため、普通級に戻った時点で再度中断となってしまいました。来院時の施術の経過を参考にしていただければ幸いです。


■ 症例4 自閉症スぺクトラム(カナー型)10才


*症状
知的障害で支援学級に行っている。小学校4年生だが、1年生のレベル。計算は得意だが、文章読解ができない。ゲームをやっても、闘いばかりやってストーリーを進める事は兄弟に任せる。興味のないものは名前を覚えない。意思の疎通ができない。聞いた事には答えるが、自分からは喋らない。

運動神経が悪い。

爪を噛むなどのチックがある。

補足説明
このお子さんは、いつもニコニコして大人しく座っているため、学校でのイジメなどの人間関係のトラブルはないようでした。

H27年 10/20 初回 気功30分
2回目以降 平均月3回(毎週、用事がある時は隔週)気功20分

11/4 計20分
兄との会話を聞いていると、少しスムーズになっている。

11/18 計20分
塾の先生によると、勉強のスピードがあがっている。

12/18 計20分
塾の先生によると、勉強のスピードが更に上がり、根気、集中力が出てきた。

H28年 2/12 計20分
パソコンを自分で開くようになって困る。(進歩はしている。)

H29年 隔週 気功 計20分
小学校6年生になってから、次回の施術の予約時に、お母様が予定を把握していないと、
”その日は〇〇が入っている”と自分から間違いを指摘するようになりました。また、H29年には”前の患者さんの車があったから、お母さんは駐車場で待っている”など、用件を伝える必要がある時、間違えを訂正する時に限り、自分から喋れるようになりました。

H30年 隔週 気功 計20分補足説明
中学校に入ってから、格段に改善したようで、

・コミュニケーションがよりスムーズになる。(意思の疎通はできる。必要な事は自分から伝える事ができる。但し、雑談はまだできない。)
・運動神経も良くなり、マラソンもクラスで真ん中くらいの順位でゴールするようになった。
・その他、様々な事がスムーズにできるようになった。

との報告がありました。

本人も治療に積極的になり、“自閉症”らしさも薄くなってきていたので、先々の改善に期待していたのですが、夏休みで施術が中断となっています。症例3とも共通しますが、支援級、普通級の問題を学校から言われなくなった時点で、改善していても中断してしまう親御さんの割合が多いのが現状です。

当院では、どこを持って終了とするかは、親御さんに任せていますが、本当の意味での自閉症の克服については、

・自立
・社会との関わり(人間関係)

の問題を乗り越える事が必要であると考えています。

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